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2010年5月30日

【News】ネット監視技術 DPI 広告利用に道 - プライバシー丸裸

本日、2010年5月30日の朝日新聞朝刊の一面を見て、びっくりした。


ネット監視技術 広告利用に道
サイト閲覧・検索履歴…接続業者側で



asahi.com にも記事もありました。
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策 - asahi.com(朝日新聞社)

 インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される――。そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。

 この技術は「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」。プロバイダーのコンピューター(サーバー)に専用の機械を接続し、利用者がサーバーとの間でやりとりする情報を読み取る。どんなサイトを閲覧し、何を買ったか、どんな言葉で検索をかけたかといった情報を分析し、利用者の趣味や志向に応じた広告を配信する。

 DPIは従来技術に比べてより多くのデータを集められるため、こうした「行動ターゲティング広告」に利用すると広告効果がさらに上がると期待されている。


個人情報や趣味嗜好が筒抜けです。。もし書籍の購入に履歴が課せられるとしたら大問題なはず。ネット閲覧情報はそれよりも広範囲で精度の高いものなのは誰の目にもあきらかです。従来の Cookie を用いた行動ターゲティング広告(Behavioral targeting advertising cookies)でさえグレーなのに、プロバイダが盗聴するとか考えられない。行動ターゲティングに関しては、サービス業者が機能を OFF できる設定ページさり気なく設けています。ほとんどのユーザーは気づいていないでしょう。デフォルトは ON ですし、あくまでユーザーが任意選択できるんですよという法律を抜けるための無効化機能ですね。Cookie はユーザーが削除したり、受け入れないよう設定できます。ブラウザを複数利用することで使い分けや蓄積情報の分断も可能です。DPI ではそうもいかないでしょう。

e.x.
行動ターゲティング広告の無効化について - Yahoo! JAPAN
行動ターゲティングサービスの説明とその無効化について - 楽天
DAC/ASI行動ターゲティング向けクッキーの状態確認ページ - DAC


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 だが、情報を突き合わせれば、他人に知られたくない持病やコンプレックスなどが特定される恐れがある。技術的にはメールの盗み読みもでき、憲法が保障する「通信の秘密」の侵害にもつながりかねない。こうした点から、米国と英国では業者による利用が問題化し、いずれも実用化に至っていない。

 DPIは現在、一部のネット利用者が「ウィニー」などのファイル交換ソフトで通信を繰り返し、サーバーに負荷がかかって他の利用者に迷惑をかけるのを防ぐのに使われている。総務省もこの監視目的での利用は認めてきたが、業者側から新たに広告利用を要望され、昨年4月に作った識者による研究会の中に作業部会を設けて検討してきた。


このネットが必要不可欠となっている時代、閲覧したサイト情報だけで人となりが明らかにされてしまいます。ましてやメール傍受とか。エシュロンじゃないですが、監視社会はゴメンです。欧米が導入に慎重でいる中、検討1年であっさり GO サインは無い。きっかけは業者側から広告利用したいと要望があったからとのことだが、訪問販売や広告メールが規制されているご時世だけにそれだけではないはず。総務省研究会だけでなく、最低でも消費者庁は介在すべき。


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 一方、新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「DPIは平たく言えば盗聴器。大手の業者には総務省の目が届いても、無数にある小規模業者の監視は難しい。利用者が他人に知られたくない情報が勝手に読み取られ、転売されるかもしれない。業者がうそをつくことを前提にした制度設計が必要だ」と話す。

 作業部会に参加した一人は「総務省の事務方は積極的だったが、参加者の間では慎重論がかなり強かった。ただ、『利用者の合意があれば良いのでは』という意見に反対する法的根拠が見つからなかった」と話している。


これ法的にアウトでしょ?中国の言論統制策ですか?プロバイダは善良という性善説はないです。とある大手IT企業の広告事業関係者を知っていますが倫理観ゼロ、儲かりゃいいでしょ?的な方でした。レアケースだと信じたいですが。作業部会の出席者はいったい誰?偏らず中立的な視点で議論できたのか?ネット事業に携わる側なら利益のため賛成するに決まっている。総務省の事務方が積極的なのは何故?官房機密費がプロバイダに流れ、言論統制や世論誘導されるとかお断りです。政府からプロバイダへの開示要請は当然行われるでしょう。技術的に可能だからと安直に導入しないで欲しい。倫理観を持った人物はいないのでしょうか?


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ちょっと調べてみましたが、おそらくこの研究会でしょう。

利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会|会議資料・開催案内等 - 総務省
(総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課)

総務省の上記ページにて議事要旨の PDF が閲覧できます。

ライフログ活用サービスWG というのが当該議題っぽいです。参加者の名前も見て取れます。ただ、構成員の所属(企業)などが不明な為、利害関係は見えません。やりとりはごく一部のため、あまり参考にはならないかも。

(相田構成員) 例えば、特定のPCから大麻の注文があったという場合に、そのPCを、
かなり限定されたグループで共有している場合は、誰が犯人なのか推定が容易な場合があ
る。限られた少数のグループ、最も典型的なのは家族だが、その場合も念頭に置いた検討
をお願いしたい。

違和感を覚えたのは、朝日新聞の論調では広告活用としかされていないところ。DPI の真の恐ろしさは広告配信ではなく、個人情報の盗聴と第三者による二次的利用なのに。当然研究会では犯罪に対する指摘もありました。基盤が出来さえすれば行政的利用も積極的に行われるでしょう。


高木浩光@自宅の日記 - 「ライフログ活用サービス」という欺瞞

有識者として当該研究会に参加された方の記事です。まず、「ライフログ活用サービス」という表現に異を唱えています。確かに何のことか分かりません。というかあえて分かりにくくオブラートに包もうとしているのでしょう。「活用」という時点で既に利用する側の事業者、政府の視点。というか利用する気マンマンで肯定的かつ実施前提なのがみえみえ。オプトアウト用 cookie の有効期限については知りませんでした。この方の意見が期限延長へと繋がったようです。また「WGのメンバーは技術的なことをわからずに話しているらしいことだった。」とありますが、それは前出の議事要旨 PDF からも垣間見ることができます。


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